歓迎のことば

 

歓迎のことば

世界的に猛威をふるっている新型コロナウイルスのため、皆さんの健康と身の安全を考え、令和二年度の入学式は中止しました。そのため、大学の最初の行事であるオリエンテーションに先立ち、一言歓迎とお祝いのことばを申し述べます。

くらしき作陽大学音楽学部、食文化学部、子ども教育学部ならびに作陽短期大学総勢三百四十二名の入学生を迎えることができましたのは、私共の大きな喜びであり誇りでもあります。諸君のよろこびはもとより、長い間皆さんを育まれたご両親のお喜びもさぞかし大きなものがあろうかと存じ、心よりお祝いを申し上げます。

短期大学は昭和二十六年に、大学は昭和四十一年に設立され、それぞれ作陽短期大学、作陽音楽大学と称して参りましたが、平成八年に津山市より現在の地に移転をし、食文化学部と子ども教育学部を併設し大学名称もくらしき作陽大学といたしました。

大学、短大の母体である作陽学園は昭和五年に松田藤子先生により「大乗仏教に基づく豊かな人間性の涵養」を建学の精神として創立されました。これは、世の為、人の為になることを最上とし、自分のことより家族のため、社会のため、ひいては地球人類のために貢献することをよろこびとする、そのような考え、行動の出来る人を養成するということです。

大学、短大ともに卒業すれば社会人として働かねばなりません。その為に必要な専門の知識や技術を身につけることが在学中にやるべき君たちの最大の使命です。これ迄の卒業生のように、在学中に努力精進につとめ、音楽、食文化、子ども教育それぞれの専門家としての力を十分つけてください。

本学の最大の特色は「念願は人格を決定す 継続は力なり」という学是にあります。この意味は確かな目標、願いをもち、それに向かって努力精進を継続するところ、目標が達成され、立派な人格が形成されるという意味です。この学是の「念願」は君の念願だけでなく、君の背後から親が祈っていることを意味します。君が誕生した時からずっと「元気であれ、幸せであれ」と念じ続けている親がいることを示しています。更に、親の背後からはたらいているものがある。人智の及ばない大いなるもの、一般に神や仏ともいいますが、それが働いていることがわかる人になって欲しいと思います。

十八年前にこの世に生を受けた君たち一人ひとりは七十二億人の地球人類の中で唯一人の存在です。誰にもまねできないただ一度の人生です。そんな貴重な生命、二度とない人生を無駄にすることなく、最高に輝いたものにしてください。その為には、学是「念願は人格を決定す 継続は力なり」のことばのもとに勉学にいそしみ、友達と切磋琢磨し、人の心を動かす人になる。人に感動を与える人、人に幸せを与える人、そんな人になってください。

そのような学生生活を送った後には、皆さんは社会に出て責任ある立派な社会人となります。今日から二か年あるいは四か年の間、学問を深め、人格を高め、多くのよき師、よき友にあい、学生生活を有意義に使われ、健康で充実した生活を営まれることを祈念し、入学生の皆さんに対します歓迎の言葉といたします。

くらしき作陽大学・作陽短期大学
学長 松田英毅