小川 容子 学部長・教授
楽しい時,私たちは自然にハミングをしたり口笛を吹いたりします。落ち込んだ時には,お気に入りの楽曲を聴いて自分を慰めたり,鼓舞したりします。音楽はいつも私たちの側にいます。このような音楽の力を子どもたちにわかりやすく教えるためには,関連する高度な専門知識と技能が必要です。保育士や幼稚園教諭,小・中学校の教師をめざす学生と一緒に,音楽の美しさや楽しさについて,深く考える授業をおこなっています。
これまで,「音楽記憶,絶対音感,自発歌,子どもの声域,サウンドスケープ,流行歌の変遷,リズム描画,音楽学力テスト作成,授業分析」などの研究をおこなってきましたが,最近は,アイトラッカーを使って視線解析をおこなっています。達人教師はクラス全体を満遍なく見ているようで,実は「気になる子」にしっかり目を向けています。同じように,音楽熟達者は楽譜全体ではなく,聴こえている音の「先」を予想しながら楽譜を見ています。時には目を閉じて音の重なりを立体的に組み立てているようです。聴覚情報を処理するときに,視覚情報が有効になる場合もあれば,邪魔になる場合もあるというのは,とても不思議です。
橋本 勇人 学科長・教授
日本の法体系は、日本国憲法を頂点として、条約(子ども権利条約など)、法律(教育基本法や学校教育法、児童福祉法、こども基本法など)、命令、告示(学習指導要領や、幼稚園教育要領・保育所保育指針など)と連続性があります。この授業では、特に子どもの権利(意見表明権など)から、学習指導要領や幼稚園教育要領・保育所保育指針など、さらには小学校での教育実践や幼稚園・保育所での保育実践までの連続性を意識した授業を行っています。
定型発達の子どもも、障害のあるこどもも、包み込むような保育をめざす『インクルーシブ保育』を実現する手段の1つとして、保育所等と障害児施設等(児童発達支援事業所など)との連携があります。またこの考えは、人口減少社会における保育のあり方とも整合性があります。ゼミでは、この場合の「保育者と他の専門職との連携」を可能にするためには何が必要かを探究していきます。また、保育と相談援助の関係についても探究していきます。
福島 治子 教授
現在、小学校では小学校3年、4年で週1回、5年及び6年では週2回、外国語(英語)の授業が行われています。子ども教育学部では、大学1年の教養英語で、小学校英語をテーマにした教科書で、小学校英語についての基礎を学び、2年の「小学校英語Ⅰ」で、理論的な学習や英語で授業を進めるための基本的な力を培い、3年の「小学校英語指導法」で、指導案作成や模擬授業に取り組んでいます。段階的に実践力を付けていくことで、3年後期の教育実習や採用試験、そして小学校で英語を指導できる教員の養成を行っています。
小学校英語では、「聞くこと」「話すこと(やり取り、発表)」「読むこと」「書くこと」の4つの領域を扱います。この中の1つの領域、またはコミュニケーション能力を児童に培うための研究。あるテーマで、外国の教育について研究し、実際に日本の小学校に取り入れることが可能なメソッドについて考察すること、等。自分の興味関心のあるテーマをもとに、今後の進路にも生かせることをテーマにし、調査、研究、考察、等を行っています。
岡田 英三 教授
変化の激しい現代社会では、自ら問題を発見し、追究できることが大切です。また、多様な価値観や異なる考えをもつ他社とも対話し解決策を導き、持続可能な社会を形成する必要があります。このような状況において、積極的に問題解決することのできる子どもを育てる指導者の育成を目指しています。
小学校社会科では、各学年の教材となる社会的事象がどのように教育されているかの現状を探り、児童の立場に立った指導についての研究を行っています。また、「防災」「離島の教育」「廃棄物処理の実態」「キャリア教育」など各自の興味関心のあるテーマを選んで、調査・研究に取り組んでいます。
田野 洋一郎 教授
「子どもの虐待」や「子どもの貧困」など、現代を生きる子ども達を取り巻く多くの問題や課題が注目を集めています。このような状況の中で、一人一人の子ども達をどのように支えていくことが必要であるのか、私達に求められているのは、どのようなことなのか、児童養護施設や里親の現状、社会的養護の窓口となる児童相談所の役割等に触れながら、保護を要する子ども達のための支援の歴史、制度、そして課題、展望などについて学んでいます。
児童虐待の増加傾向が著しい昨今、児童相談所がどのような役割を果たし、どのように機能しているのか、保育所などの関係機関との連携はどのようになされているのか、実際の現場でどのような支援が行われているのか、理解を深めた上で課題を検討し、将来的な展望についての考察を行います。また、要保護児童支援の現状について学び、児童養護施設等を訪問し施設見学を行うなど、児童支援の現場について理解を深めていきます。
横山 昌弘 教授
私の授業のポイントは「子どもの思いを生かした理科指導の在り方」「通常学級における特別支援教育の視点に立った指導の在り方」です。子どもの立場に立った学びの在り方を学修することで、子どもたちが分かったと目を輝かすような指導力のある教師を目指しています。更に、サイエンスフェスティバルや各地区のふれあいまつり等、様々なイベントにボランティアとして参加し、科学遊びを通して子どもたちとの関わり方を実践的に学んでいます。
個別の支援は必要だが、どの子も満足するような全体指導があってのこと。特別支援教育の視点を生かしながら、理科を中心に、国語や算数、図工などの教科で「分かった」「できた」といえる授業のユニバーサルデザインについて研究しています。また、端午の節句祭りやサイエンスフェスティバル、各地のふれあい祭り、オープンキャンパス等にゼミとして参加し、サイエンスショーなどの実践を通して子どもとの関わり方を学んでいます。その他、横山ゼミでは、卒業研究以外にも定期的に勉強会を開催し、絵の指導や物語り文の指導、学級づくり等、現場に出てすぐに役立つ指導の在り方を学んでいます。
藤井 朗 教授
放課後学習支援教室「作陽ぷらっつ」では、近隣の小学校の放課後児童クラブに通う子どもたちに、大学で学んだ知識や技能を活用して個別の学習支援をしています。その中で生きて働く指導力を身に付けていきます。
放課後学習支援教室「ぷらっつ」で児童への個別支援の工夫や、大学の地域支援のあり方を研究します。発達段階を考慮し、様々な個性をもった子どもたちに適したより良い指導について試行錯誤をしながら、研究していきます。
松崎 保弘 教授
保育や幼児教育の現場では多様な子どもたちが共に過ごしています。特別支援教育に関する学びを通して、保育現場における多様な子どもの幼児期の豊かな育ちをサポートできるような高い専門性を身に付けます。一人ひとりに合わせた支援より、子どもが安心できる場所をつくり出せるような保育士・幼稚園教諭を目指します。
切り替えが苦手、コミュニケーションが独特など、多様な特徴のある子どもごと実際に関わりながら、実践力を身につけます。目の前の子どもに合った保育ができるように、ノウハウだけでない、自分で考え生き抜く能力を養うために様々な活動に取り組みます。卒業後には、保育・教育の現場で活躍することのできる専門職へと成長します。
中根 征也 教授
医療的な視点を入れながら,一人ひとりの子どもの教育的ニーズを的確に捉える力を養います。特別支援教育の現場では,教育と医療・福祉・保健など多職種連携が不可欠です。授業では,教師が多職種とどう連携し,どのように実践につなげていくかを具体的に考え,現場で力を発揮できる教師の育成を目指しています。
障がいの特性と協調運動(全身運動・手先の運動)との関係を探りながら,子どもたち一人ひとりの教育的ニーズに応じた,楽しく取り組める運動・遊び・活動のあり方を追求しています。特別支援教育の現場で実践的にいかせるプログラム開発を目指しています。
田岡 由美子 教授
人は誕生後、さまざまなモノ、事、人と関わりながら、自分自身を形作り世界を広げていきます。思わず歓声を上げて他者と喜び合い、時には打ちひしがれてうつむきながら、それでも前を向いて生きてゆくときに、親しい人との体験が生きる原動力になります。乳幼児期の育ちから自身の育ちも視野に入れて、人と関わる力がどのように育まれていくかについて、共に学び、考えていきます。
私自身は、今から約200年前に、世界で初めて「幼稚園」を創ったドイツの教育者フリードリッヒ・フレーベルが研究テーマです。幼な子への教育などまったく顧みられなかった時代に、彼は乳幼児を人として尊び、乳幼児期の遊びを高く評価しました。フレーベルに学んで、人が人らしく生きていくうえで、時の経つのも忘れて夢中になって遊ぶことがどんなに大切なことなのかについて、理論と実践を行ったり来たりしながら研究しています。役になりきって遊ぶごっこ遊びを通じて、子ども時代のワクワク、ドキドキ感を思い出し、楽しみましょう。
山本 智子 教授
人間の生活や発達は、周囲の環境との相互作用によって行われています。乳幼児期の子どもは、自ら興味をもって環境に主体的に関わりながら、様々な活動を展開し、充実感や満足感を味わう体験を積み重ねていくことがとても大切です。そのためには、保育者も周囲の様々な環境に関わり、その面白さ、美しさ、不思議さなどに気づき、まず心を動かして楽しむことが必要です。
子どもと共に心を動かし、よりより教育・保育環境を創造していく保育者となるために、保育・教育現場での実践を踏まえた授業で、理論と実践を往還していく力を向上できるようにしています。
山本ゼミでは、保育教材研究を主題として、保育・教育現場で実際に活用できる様々な教材の展開を学んでいます。身近な素材や自然物など、また身近なものや人、その他にも醸し出す雰囲気や空間等、様々な環境を教材研究に活かせるよう、ゼミの仲間とともに一緒に考えたり、実践したり、振り返ったりしています。本来、保育教材は子どもにとってワクワクする楽しいものです。学生自らも心や体や頭を動かして楽しみながら、子どもの心を動かす保育教材の研究を進めています。
髙橋 伸明 教授
学習指導要領は,今の子ども達が社会の中心を担う2030年以降の社会をイメージし,そこで必要とされる資質・能力の育成を図るために策定されています。既存の授業技術や教師の姿勢を踏まえた上で,新しい技術を活用した教育方法や将来必要となる資質・能力の育成手法について学びます。具体的には,「学習指導要領と授業の基本的な関係と教育方法および学習評価,教師の意思決定等の理論」「授業における発問と指示の技術,教科書や教材活用に関する技術」「ICTを活用した学習指導・校務の推進の在り方,情報活用能力育成のための指導法」などです。
Society5.0社会を生きる子ども達に求められる「情報活用能力」「メディア・リテラシー」などの資質・能力を高める教育,子どもがメディアと上手につきあう自己調整力を身に付けるようになるための授業・教材について,変容するメディア・メディア社会の現状を踏まえながら検討します。また,情報端末,デジタル教科書,デジタル教材などを活用する際の教師の「指導力」,児童生徒の「学ぶスキル」「主体的な学び」「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」などについても検討します。
居川 寛子 准教授
音楽は、人の心に寄り添い、動かし、感性や想像力、思いやりを育む力があります。ピアノを中心とした完成を磨き、子どもたち一人ひとりの心に寄り添う教育者の育成を目指します。音楽の美しさや表現の豊かさを学ぶことで、音楽のもつ「人をつなげる力」を学び、教育の現場で活かせる完成と実践力を学びます。
音楽を通して、子どもたちの「感じる力」や「創造性」がどのように育むかを多角的に探究します。また、模擬授業や教材研究、音楽活動の企画など、常に音楽を通して「人を育てる力」「表現を支える教育とは何か」について自分らしい表現や教育的アプローチを見付け、将来、教育・演奏・地域活動など様々な場面で音楽を活かせる力を養うことを身に付けます。
檜皮 修 准教授
「教員養成」ー「教員採用試験」ー「初任者研修」のステップは、教師の成長にとって非常に重要な時期であり、ステップ間の連携も大切です。実務家教員として特別支援教育の現場で求められる実践力のある教師を目指して、大学教育を工夫して進めていきたいと考えています。
特別支援教育の対象は、特別支援学級や特別支援学校の子どもたちだけではありません。保育園、幼稚園、小学校の通常の学級、通級指導教室等、様々な現場で支援を必要としている子どもたちが多くいます。インクルーシブ教育を目指しつつ、一人ひとりの教育ニーズに応じた支援教育について研究を進めていきます。
藤田 由起 講師
「子ども」と一言で言っても、年齢や発達段階、置かれている環境によってどのような表現ができるのか、どのような思いを持ちやすいのかは様々です。中には葛藤や悩み、つまずきを経験する子どももいます。そのような多様な子どもの発達や思いについて知り、それを踏まえた関わりができる教育者・保育者を目指します。また、子どもの主体性や意欲を引き出すための関わりなどについて、心理学の観点を交えながら考えます。
子どもの心理に関する様々な研究・活動を行います。社会的養護や何らかの支援を必要する子どもの心理的支援についてや、保育所等に在籍する子どもの様々な課題に対する心理的支援についてなど、ゼミ所属学生の興味・関心も大切にしながら、様々な子どもの心理に関する理解を深めています。このような研究・活動を通し、教育者・保育者として子どもの思いに寄り添いながら指導・支援する力を身につけます。
渡橋 佳子 講師
旅行英会話、保育英会話、ディスカッションやプレゼンテーション、ディベートのような実践型の英語学習をグループワークやロールプレイなどを通して楽しく学びます。実際に使うことで英語の必要性や、使うことの楽しさを実感し今後の学びへのモチベーションに繋げることを重要視します。多くの学生が英文法や長文読解でつまづき、英語を学ぶことを諦める傾向にありますが、実は英語を使ったり、英語でコミュケーションを取ることは楽しいことで、もっと使えるようになりたいと思える活動をしています。
近年、急激に進化してきたAIを使って、より良い教材を作成したり、効果的な英語学習の方法を探り、その結果を分析する。また、英語の発音教育が十分ではない中、フォニックスを小学生のうちに導入し、正しい英語の読み方、発音を教授するための方法や工夫を模索する。同時にローマ字学習への疑問についても考える。
髙橋 慧 講師
保育には、保育内容5領域という考え方があり、そのうちの1つが「表現」という領域です。子どもは、表現することが好きです。図画工作や美術の分野は、保育の世界では一般的に、保育の造形表現というような呼び方をします。保育所や幼稚園、こども園では、この造形表現を子ども達が楽しめるような活動や実践を行っています。保育の造形分野について豊かな感性を持った保育者になれるような授業を心掛けています。
高橋ゼミでは、図工や美術の分野に関する活動を行い、美術的な感性や楽しさ、知識や経験を磨いたり伸ばしたりするような活動を行っています。また、保育分野で生かせる色々な造形技法を身に付け、実践することも取り組んでいます。4年生の秋頃、「作陽キッズキャンパス」という1000人規模のイベントが大学であり、そこにゼミのブースを出して、たくさんの子ども達と触れ合う活動を行っています。
中野 広大 助教
「子ども文化」の授業では、絵本や人形劇、パネルシアター、集団遊びなど、子どもの成長を支えてきた多様な“児童文化財”を学び、実際に制作・発表することを通して、その魅力と教育的価値を理解します。子どもが夢中になって遊び、想像し、心を動かす文化を学ぶことは、保育者や教員としての感性を育む第一歩です。子ども文化を理解し、共に楽しむことができる子ども文化の担い手、架け橋となる保育者・教員の第一歩を踏み出します。
中野ゼミでは、人形劇の制作・上演を通して実践的に学びを深めます。子どもと人形劇の親和性は高く、子どもたちは人形劇が大好きです。活動では、身近な材料を使った人形や人形劇制作に取り組んだりします。制作過程(題材選定、構想、脚本、デザイン、製作、稽古、リハーサル、本番)で得られる協働性や表現力は、保育者・教員にとって大切な力です。子どものことを想って人形劇を創るプロセスは、保育者・教員を目指す私たちにとって大切な経験が詰まっています。
横田 咲樹 助教
幼児教育は、子どもの「やってみたい!」「遊びたい!」という意欲から出発する教育です。でも、保育者にも「こういうことを経験して欲しいな」「こんな学びがあったらいいな」という気持ちがあります。そんな、子どもの気持ち(世界)と保育者の気持ち(願い)を繋ぐのが、「保育計画」や「指導案」です。一見難しそうな内容ですが、自分の子どもの頃の気持ちを思い出しながら、学生自身も遊びながら、「保育計画」や「指導案」の書き方を学んでいきます。
このゼミでは、保育教材研究を主題に、学生主体の活動を展開しています。実は、身の回りの何気ない環境には、保育教材がたくさんあります。日常の中から楽しい遊びを見つける力は、保育者にとって大切です。子どもの“心”と保育の専門家としての“目”をもって、楽しい保育ができる先生になりましょう!例えば、地面に引いた線1本、ハンカチ1枚でも、豊かな遊びは生まれます。思い付いたことをどんどん試して、子どもたちと一緒に遊んでみましょうね。